岡山県エココンクリート製品協同組合では、高炉スラグを利用したエコ製品の開発に取り組み、平成13年12月に制定された「岡山県循環型社会形成推進条例」に基づき、循環型社会の形成に資すると認定されたコンクリート製品です。岡山県内で現在製造販売されている、使用を促進すべき再生品であり、岡山県エコ製品の認定基準を満たした製品の普及に努めています。
製鉄の副原料「石灰石」がルーツ
一見製鉄とは関係がないように思われる石灰石は、製鉄プロセスにおいて必要不可欠な副原料です。鉄鋼スラグが生まれる過程
鉄鋼スラグは、高炉で鉄鉱石を溶融・還元する際に発生する高炉スラグと、鉄を精錬する製鋼段階で発生する製鋼スラグに大別できます。
高炉スラグは、鉄鉱石に含まれるシリカなどの鉄以外の成分や還元材として使われるコークスの灰分が、副原料の石灰石と結合したものです。比重が銑鉄よりも小さく、溶融状態では銑鉄の上になるため容易に分離・回収できます。
製鋼スラグは、高炉で生まれた銑鉄を、靭性、加工性の高い「鋼」にする製鋼工程で生成されます。石灰などの副原料を加えて酸素を吹き込み、銑鉄に含まれる炭素やリン、硫黄などを取り除き、粘り強い鋼に精錬するときに生まれた酸化物が製鋼スラグとなります(転炉系)。また鉄スクラップを溶融・精錬した際にも製鋼スラグは生成されます(電気炉系)。
鉄鋼スラグ製品の製造フロー
鐵鋼スラグ協会HPより(http://www.slg.jp/slag/process.html)
高炉スラグ細骨材 高炉スラグ粗骨材
鉄鋼スラグ骨材は十分な品質管理のもとで製造された工業製品で、有機不純物、粘土、貝殻などを含まず、粗粒から微粒に至るまで同一の化学成分です。
さらに、アルカリシリカ反応の原因となる溶解性シリカをほとんど含まず、環境負荷低減効果を有し、貴重な天然資源を保全し、採掘や破砕などのエネルギーの削減が可能です。
粗骨材と細骨材
鉄鋼スラグを原料にして製造されるコンクリート用骨材としてJIS が制定されているものには、高炉スラグ骨材と電気炉酸化スラグ骨材があり、それぞれに粗骨材と細骨材があります。
粗骨材は、高炉または電気炉から取り出された溶融スラグを徐冷し、粒度調整した骨材です。
細骨材は、取り出された溶融スラグを水や空気などで急冷し、粒度調整してつくられる骨材です。
認められた優位性
高炉スラグ骨材のうち、粗骨材は1977年に、細骨材は1981年にそれぞれJISが制定され、日本建築学会や土木学会の各種施工指針に織り込まれ、主要な資材としての地位を占めるに至っています。電気炉酸化スラグ骨材も2003年にJISが制定され、土木学会および日本建築学会の設計・施工指針にも織り込まれました。
鉄鋼スラグ骨材は、コンクリートの耐久性に影響を及ぼす有機不純物や粘土、貝殻などを含まないこと、品質のばらつきが少ないこと、アルカリシリカ反応による膨張が認められないことなど優位な特性があります。加えて、電気炉酸化スラグ骨材は、絶乾密度が約3.6g/cm3と他の骨材に比べて高いという特長を活かし、放射線遮へい用コンクリート、重量コンクリートなどにも適用されています。
天然骨材の代替材として環境保全に貢献
近年の海砂採取規制や海外砂の輸入停止を契機に、天然骨材枯渇への対応という社会的ニーズが高まっており、コンクリート用スラグ骨材の販売量は急増しています。高炉スラグ骨材は2002年度、電気炉酸化スラグ骨材は2005年度にグリーン購入法に基づく特定調達品目に指定されており、天然資源の開発抑制による環境保全や天然資源の採掘時の使用エネルギー削減に貢献する環境資材として高く評価されています。
鐵鋼スラグ協会HPより(http://www.slg.jp/slag/product/kotuzai.htmll)
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